• Skip to main content
  • Skip to primary sidebar
  • ホーム
  • マクロ・VBA基礎
  • エクセル労務管理

デスクワークカイゼン.com

デスクワーカーの生産性を向上します

現在の場所:ホーム / アーカイブマクロ・VBAの基礎知識

マクロ・VBAの基礎知識

ボタンクリックでマクロ実行! ボタンの作り方からカスタマイズまで徹底解説します

18/02/12 by イクマ ヒロユキ コメントを書く

エクセルマクロ実行に欠かせないものに、「実行ボタン」があります。しかしボタンの扱い方で悩んでいる方は多いです。

  1. ボタンにマクロを登録して実行するには?
  2. 登録されているマクロを別のものに変えたい
  3. ボタンを消したい
  4. ボタンの色を変えたい
  5. ボタンの表題を変えたい
  6. ボタンの位置を変えたい
  7. ボタンの位置を固定したい(フィルターをかけるとボタンが移動してしまう)

こうした疑問はマクロ実行ボタンの全体像を知ってしまえば簡単に解消できます。全体像を知り、ユーザーが使いやすいボタンにすることで、より業務改善が進むでしょう。そこでこのページではボタンの扱いについて解説していきます。

マクロ実行ボタンは3種類

  1. フォームコントロールのボタンにマクロを登録する
  2. 図形や画像にマクロを登録する
  3. ActiveXコントロールのボタンにマクロを登録する

 

編集操作はCtrlキーと左クリックか、右クリック

フォームコントロールと、図形や画像は、ほぼ同じ考え方で扱えます。編集したいときはCtrlキーと左クリックか、右クリックで編集モードになります。こうなれば、普段エクセルを操作するのと同じ感覚で編集できます。

 

ActiveXコントロールは使わない

しかしActiveXコントロールは扱い方が異なります。デザインモードで編集しますが上級者向けです。機能はほとんど変わらないため、あえて使う理由はありません。基本的に使わないようにしましょう。

全体像はこれで終わりです。以下で具体的な操作方法を解説します。

 

ボタンにマクロを登録して実行したい

マクロを登録するには、先ほど説明した3種類のどれかに登録します。こだわりがなければ開発タブのフォームコントロールのボタンを使うのが簡単です。

フォームコントロールのボタンにマクロを登録する

手順は以下の通りです。

  1. 開発タブをクリック
  2. 挿入をクリック
  3. フォームコントロールの中にあるボタンをクリック
  4. ボタンを設置したいセルをクリック
  5. 登録したいマクロを選択して、 OKをクリック

(開発タブって何? という方は業務改善の決定版! 超簡単なエクセルマクロ・VBA導入方法とは? をご覧ください)

マクロの登録画面では、「マクロの保存先」を選択できますが、初心者のうちは「作業中のブック」を選択してきましょう。マクロの保存先を変えることで、別のファイルに入っているマクロを登録することもできますが、ファイル管理やマクロの扱いが難しくなるためです。

 

図形や挿入した画像にマクロを登録する

マクロはボタンや画像にも登録できます。フォームコントロールとの違いは、クリックした時にボタンがへこむかどうかだけです。自分好みの図形や画像にマクロを登録できますので、柔軟なデザインが可能です。手順は以下の通りです。

  1. 図形を挿入する
  2. 挿入した図形を右クリックし「マクロ登録」をクリック
  3. マクロを登録する

1. 図形を挿入する

2. 挿入した図形を右クリックし「マクロの登録」をクリック

3. マクロを登録する

先ほど説明した、「フォームコントロールのボタン」と同様の手順で登録します。

見栄えを良くするには

インターネットで「アイコン素材」と検索し、下記のようなアイコンをダウンロード。これにマクロを登録することで、より見栄えの良いアプリを作れます。

ダウンロードしたアイコンを挿入するには挿入タブの「画像」をクリックします。

 

ActiveXコントロールにマクロを登録する

ActiveXにコントロールは取り扱いが難しいので、使わないようにしましょう。しかし、何らかの事情でActiveXコントロールにマクロ登録したい場合は、以下の手順で行います。

  1. 開発タブをクリック
  2. 挿入をクリック
  3. ActiveXコントロールのコマンドボタンをクリック
  4. 設置したいセルの上でクリック
  5. ボタンをダブルクリック
  6. コード編集画面で登録したいマクロの名前を書く
  7. エクセルに戻ってデザインモードを解除する

フォームコントロールとの違いは「マクロの登録方法」、「編集方法(デザインモード)」です。ActiveXコントロールの場合、マクロの指定は自分でプログラムします。ボタンの表題を変えたり、登録するマクロを編集したりするためにはデザインモードで行います。

 

ボタンの色を変えられる

フォームコントロールのボタンは色を変えられませんが、 ActiveXコントロールであれば、ボタンの色を変えられます。しかし、それだけの理由でActiveXコントロールのボタンを使うのはオススメできません。ボタンの色を変えたければ、先ほど解説した「図形にマクロを登録する」方法がよいでしょう。

 

登録されているマクロを差し替えたい

手順は以下の通りです。

  1. そのボタンや図形の上で右クリック
  2. 「マクロ登録」をクリック
  3. 変えたいマクロを選択して、 OKをクリック

簡単です。

 

編集はCtrlキーと左クリックか、右クリック

  • ボタンの表題を変える
  • ボタンの位置を変える
  • ボタンの大きさを変える
  • ボタンを削除する
  • フォントを変える

といった編集作業はCtrlキーを押しながらマウスを左クリックするか、ボタンを右クリックします。ボタンの周囲に○が現れ、「編集モード」になります。

○をクリックしながらドラッグして大きさを変えたり、枠をクリックしてドラッグすれば位置を変えられます。Deleteキーを押せば削除できます。他にも右クリックメニューの中からコピーを選択すれば、別シートにボタンを複製できます。あらゆる編集作業はctrlキーと左クリックか、右クリックで始めます。

 

ボタンの表題を変える

ボタンの表題を変えるには、編集モードにして文字を編集します。編集が終わったらEnterキーではなく、Escキーを押します。エンターキーを押してしまうと、ボタンの中で改行されてしまいますので注意しましょう。

 

キーボードと組み合わせて位置や大きさを変える

位置や大きさを変えるときに、Altキーや、Shiftキーを押すと、ストレスなく編集できます。(※マクロボタンに限らず図形や画像も同様です)

Altキー

Altキーを押しながらボタンの大きさを変えたり、ドラッグすると、セルにぴったりと合わせられます。

Shiftキー

Shiftキーを押しながら移動すると水平垂直を保ったまま移動できます。大きさを変えるときは、縦横比を保ったまま大きくできます。

 

ボタンの位置を固定したい

せっかくボタンを設置しても、フィルターをかけるとボタンが移動してしまったり、隠れてしまったりすることがあります。これを防ぐためにはボタンを右クリックし、「コントロールの書式設定」の中のプロパティーを選択。「セルに合わせて移動やサイズ変更をしない」にチェックを入れOKを押します。

 

まとめ

あなたが作ったマクロを多くの人に使ってもらうための入り口が「実行ボタン」です。実行ボタンの編集操作をマスターし、業務改善を進めていきましょう。

ボタン編集は、 Ctrlキーか、右クリックですべての操作が行えます。クリックしやすいボタンの大きさや位置、クリックすると何が起きるかわかりやすい表題にする、おしゃれなアイコン利用する、といった工夫をすることをおすすめします。

カテゴリマクロ・VBAの基礎知識

エクセル関数とマクロ・VBAの7つの違いとは?

18/02/06 by イクマ ヒロユキ コメントを書く

マクロに興味がある、これからマクロ習得しよう、という方の中には、エクセル関数とマクロの違いがよくわからないという方がいると思います。どちらもエクセルに標準で備わっている機能ですが、それぞれ特徴があり使い勝手は大きく異なります。

ざっくり説明すると、「エクセル関数は人間が行っているコピペ作業や電卓計算を補助する機能」であり、「マクロは手順書を書いてエクセルに仕事をさせる機能」です。エクセル関数は「車」で、マクロは「自動運転」ともいえます。

たとえば納品書を発行するときに、エクセル関数を使えば、その一部を作ることはできますが、自動で納品書を発行することはできません。しかし、マクロを使えば納品書発行や印刷、メール添付・送信を自動化できます。

マクロを使える、使えないで業務の生産性に大きな差が生まれます。このページではエクセル関数とマクロの機能の違い、そこから生まれる違いを解説していきます。

エクセル関数とマクロの7つの違い

エクセル関数とマクロの違いをまとめました。そもそもマクロ・ VBAって何? という方はエクセルマクロ・VBAとは? エクセルを自動化する機能ですをご覧ください。

項目 エクセル関数 マクロ・VBA
1. 速さ 関数が入ったセルが大量にあると、まともに仕事ができないほど遅くなる 高速・軽量・快適
2. メンテナンスしやすさ 複雑な関数になると修正が大変 構造化できるのでメンテナンスしやすい
3. 外部連携 閲覧のみ
  • 外部データの読込み書込みができる
  • Outlook, PowerPointなど他のアプリを操作できる
  • Windows上のファイルやフォルダを扱える
4. 手軽さ
  • 比較的簡単
  • 他の人でも修正できることが多い
  • 手軽な反面誤って関数を消してしまうことも
  • VBEという新しいスキルが必要
  • スキルがない人は修正できない
  • 誤って消されにくい
5. エクセルに対する操作 セルに色塗る、罫線を引く、シートの名前を変える、といった操作はできない エクセルに対するあらゆる操作ができる
6. 業務に与えるインパクト ふつう
  • 人力で3日がかりの仕事がワンクリックで終わるようになる
  • 従業員50名の会社で、年間数百万のコストダウン効果
7. あなたに与えるインパクト エクセルが得意な人になれる
  • IT系のスキルアップ
  • 業務改善できる人になる
  • あなたの評価が上がる
  • もっと面白い仕事を任される
    という好循環が生まれる

 

 

1. 速さ

エクセル関数の場合

関数が入ったセルに比例して遅くなる

大量に関数が入ったファイルを開く、編集する、というときに数秒間待たされた経験がある方も多いのではないでしょうか。標準設定ではファイル開いたり、セルを編集したりするときに、セルに入っている関数は毎回再計算されるため時間がかかります。

たとえば、労務管理では多くの関数を使って労働計算します。「人数×日数×計算項目」の関数ができ上がります。

従業員が50人の会社であれば1年間で、50人×250日×10項目=125,000の関数がセルに入ります。1つのセルを編集するだけでも毎回10秒以上待たされます。私がマクロを習得しようと思った理由の1つです。ここまでいかなくても、関数の数に比例してエクセルが遅くなります。

 

マクロの場合

再計算しないので高速

一方、マクロはプログラムを実行したときだけ計算されます。そのため、ファイルを開く、セルを編集する、という場合でも再計算しないので高速です。

 

2. メンテナンスしやすさ

エクセル関数の場合

複雑な式は修正困難

複雑な計算はIf関数を使うことが多いと思いますが、難解な式になりがちです。たとえば、労働時間計算時の休憩時間を計算する場合、下図のような複雑に式になることがあります。

これは私がエクセルマクロを覚える前に、労働時間計算時に実際に使っていたものです。この関数の中のどこか1か所を直そうと思ってもかなり複雑で、修正困難だったのよく覚えています。

なぜ修正が困難になるかというと、構造がわかりにくく、「このIf関数はどこからどこまで影響が及ぶのか?」を読み解くのに時間がかかるからです。業務は常に動いていますので関数を一度作ったら終わり、とはいきません。

メンテナンス作業が発生するつど、難解な式を読み解かなければならないのは非効率です。メモすればいいとか、難解な式を読み解くスキルを身につければいい、という考え方もあるでしょうが、そのために時間を使うくらいならマクロを習得した方が生産的ではないでしょうか?

 

マクロの場合

条件分岐がわかりやすい

一方、マクロは構造を分かりやすく書くことができます。下記のプログラムを日本語に翻訳すると「雨が降ったら傘をさし、降水確率が70%以上だったら傘を持って行き、それ以外は手ぶらで行く」という意味です。

Sub 傘を持っていくかの判断()
    If 雨が降ったら Then
        傘をさす
    ElseIf 降水確率 >= 0.7 Then
        傘を持っていく
    Else
        手ぶらで行く
    End If
End Sub

 

これをエクセル関数で書くと、セルの中に

=IF(雨が降ったら,傘をさす,IF(降水確率 >= 0.7,傘を持っていく,手ぶらで行く))

と書きます。

 

マクロの方が構造が分かりやすいと思いませんか? メンテナンスのしやすさは効率よく業務を進める上で重要です。

 

3. 外部連携

エクセルの場合

データを取り込むだけ

もし外部のデータを参照したいのであれば下図のようなツールを使います。

データタブの中にはデータ取得のための道具が揃っています。データベースやテキストファイル、Web(インターネット)上のデータを取得できます。

ただし、これはデータを取得するだけ。追記、編集はできません。データを取得し、そのデータを使って一連の処理をする、といった連続した作業もできません。

 

マクロの場合

外部データを追記、編集できる

マクロを使うとアクセスなどのデータベース、CSVなどのテキストファイルの追記や編集、インターネット上のデータ送信・受信ができます。もちろん一連の作業をマクロに登録しておけば作業が楽に終わります。

Windows上のファイルを扱える

マクロは、Windows上のファイルやフォルダを扱えます。エクセルの活躍の場が一気に広がります。たとえば商品や部品リストから商品画像や図面の画像ファイルを開けます。他にも条件に従って、別々のフォルダに分類されたエクセルファイルを開いて中のデータを参照する、といった柔軟な処理ができます。

 

4. 手軽さ

エクセル関数の場合

手軽な反面ミスが起きやすい

エクセル関数は手軽です。日常的にエクセルで仕事をしている方のほとんどは何らかの関数を使っていると思います。そのため、別の人が作った関数でもその気になれば修正することができます。その反面、せっかく作った関数を誤って消してしまう可能性が高い、というデメリットもあります。

 

マクロの場合

関数は軽自動車、マクロは特殊車両

関数が軽自動車だとしたら、マクロは特殊車両です。ちょっとしたお使いは関数で充分です。しかし、遠くに行こうとしたり、荷物をたくさん運んだり、スピードが必要だったりしたときは、トラックやレーシングカーの方が便利。でも特殊車両を運転するにはちょっと訓練が必要。こんなイメージです。

間違ってマクロを消してしまう可能性は低い

マクロを使える方は比較的少数派です。そのため別の人が誤って消してしまう可能性は低いです。必要であればマクロを編集できないようにパスワードをかけることもできます。

 

5. エクセルに対する操作

エクセル関数の場合

関数が影響を与えられるのはセルの値のみ

エクセル関数では次のような事はできません。

  • セルに罫線を引く、色を塗る
  • フォントを変える、フォントの色を変える
  • シートの名前を変える、シートを追加する
  • グラフを作る
  • ピボットテーブルを作る
  • 新しいファイルを作る

関数ができるのは、セルの値を変えることだけ。影響範囲は、その関数が入力されているセルに対してのみです。

 

マクロの場合

マクロの影響範囲は大きい

マクロを使えば、あなたが「普段エクセルに対して行っている、あらゆる操作を自動化」できます。次のようなことも思いのままです。

  • ある条件が満たされているかチェックして、チェックが終わったところに色を塗る
  • 定期的に作らなければならない売上報告などのグラフを自動で作る
  • 必要なデータだけを抽出し、新たにシートを作成して抽出結果を書き出し、そのシートに名前をつける

 

6. 業務に与えるインパクト

エクセル関数の場合

頑張れば「システムのようなもの」を作れるが…

関数を組み合わせれば、多くのことができます。集計、分析などはもちろんのこと、取引番号をキーにして情報を抽出し、請求書や納品書などを作れます。

私がエクセル関数とピボットテーブルだけで構成した最大のものは、労務・勤怠管理システムです。日々の労働時間を計算し、給与計算に必要な労働時間を求める、というものです。

ただ、ここまでお伝えしてきたように、マクロに比べると多くのことはできません。「システム」と呼ぶには少々頼りないものでした。

 

マクロの場合

インパクトは使い方次第

マクロ使えば業務に大きなインパクトを与えることができます。

ITmediaから引用

※強調は当サイト

私の例をあげると、在庫管理業務で午前中いっぱいかかっていた仕事をワンクリック(数秒)で終わるようにしたり、設計ミスによる手戻り材料費、工賃を年間数百万円削減したりしました。

こうした事例はマクロを使えるようになると、(会社の規模、業種にもりますが)ありふれたものになります。マクロを使っていない会社や業務には大きな可能性が埋もれています。

 

7. あなたに与えるインパクト

エクセル関数の場合

ふつう

エクセル関数を使いこなしてバリバリ業務をこなせる方は大勢いらっしゃいます。あなたの身近にもきっといらっしゃるでしょう。どのようなインパクトがあるのか、だいたい想像がつくと思います。

 

マクロの場合

人生が変わるかも

ここまでご紹介したように、マクロは関数だけではできない多くのことができます。この道具をうまく使いこなせば、あなたの人生に大きな影響を与えるかもしれません。

  • 残業がなくなる
  • 単純な繰り返し作業がなくなる
  • ITに詳しくなる
  • 営業やマーケティングなど、より付加価値の高い業務に使える時間が増える
  • 業務改善できる
  • 生産性が上がる
  • 評価が上がる
  • 社内のシステム、情報分野で圧倒的な存在になる
  • 私生活が充実する

私は転職に失敗して定職がない時期が2~3年あり、社会的にはニートでした。ニートは多くの方がイメージするような気楽なものではなく、自尊心を傷つけまくる辛い毎日でした(今にして思えば甘えはありましたが…)。恥ずかしくて友達に会えない、同窓会や結婚式には当然行けない、自分には価値がない、この世から消えてしまいたい。

そんな人間でしたが運良く就職でき、必死でエクセルマクロを習得、業務を改善しまくりました。数年後には1部上場企業の社長の前でプレゼンするまでになったのです。少なくとも私の人生には計り知れない影響を与えました。

エクセルマクロ・ VBAはエクセルに触れる機会がある方には最高の道具です。その道具をうまく使いこなすことで、あなたの人生に大きな影響を与えるかもしれません。

 

まとめ

エクセルマクロ・VBAは関数だけではできない多くのことを実現できる道具です。この道具をうまく使いこなすことで、業務改善、生産性向上、評価が上がる、私生活が充実する、人生が変わる、という効果があります。

もしあなたが、エクセルマクロに少しでも興味が出たら挑戦することおすすめします。

カテゴリマクロ・VBAの基礎知識

エクセルマクロ・VBAとは? エクセルを自動化する機能です

18/02/06 by イクマ ヒロユキ コメントを書く

エクセルマクロ・VBAというものを何となく聞いた事があるけどそれが一体どういうものかよくわからないという方は多いと思います。そんな方からよく聞く質問に、

  • そもそもマクロ・VBAとは何か
  • マクロとVBAはどう違うのか
  • 何ができるのか
  • エクセルの関数とは何が違うのか
  • どのように始めればよいのか
  • どうやって覚えればよいのか
  • 独学でも覚えられるのか

というものがあります。ざっくりした結論を言うと、マクロとは、 「エクセルに指示書を渡して仕事をさせる機能」です。VBAは、「エクセルに対して書く指示書の言語(プログラミング言語)」です。

つまり、「仕事を自動化できる」、その結果「生産性が上がり」、「利益が生まれる」、「残業がなくなる」、「あなたの評価が上がる」、「私生活が充実する」ということです。あなたがエクセルでやっている作業であれば何でも自動化できます。数日がかりの仕事がワンクリックで終わります。

もう少し詳しく知りたい、どうやってやるのか知りたいという方は、以下の解説をご覧ください。

そもそもマクロ・VBAとは何か

マクロとは、エクセルに指示書を渡して仕事をさせる機能のことをいい、VBAとは、指示書に使う言語です。この機能を使うと作業を自動化・システム化・業務改善できます。手順書を書く方法は二通りあります。

  1. 「マクロの記録」という機能を使ってエクセルに作業を覚えさせる
  2. VBAというプログラミング言語で指示書を書いてエクセルに仕事させる

という方法の2通りです。

 

マクロの記録

マクロの記録は記憶を開始してから終了するまで、あなたが行った操作をエクセルが自動的にVBAに翻訳します。録音機能のようなものです。

便利な機能なのですが、条件分岐ができなかったり、仕事の範囲が変わったりしたときに柔軟に対応できません。この機能だけではシステム化は難しいです。

 

VBAで指示書を書く

もう一つの、VBAという言語で指示書を書く場合は、何でもできます。会社の規模にもよりますが、使い方にしだいで、年間数百万のコストダウン効果を与え続けます。

プログラミングというと難しく感じるかもしれません。私も最初はそうでした。しかし外国人に仕事をお願いする時は英語などで話をしないと通じない、という感覚と同じです。慣れてしまえば、なんだこんなものか、となります。

英語なんてできない! という声なき声が聞こえてきそうですが、ご安心ください。私は今でも全く英語の読み書きができません。英語ができなくてもマクロ・ VBAを使いこなすことができます。英語より簡単だと思います。

まとめるとマクロとは、エクセルに仕事をさせる機能を言い、 VBAとは、エクセルと対話するための言葉となります。

 

マクロ・ VBAを使うと何ができるのか

エクセルであなたがやっている作業は全て自動化することができます。以下のようなエクセル関数だけでは実現できない作業も自動化することができます。

  • セルに罫線を引いたり、色を塗る、文字の色を変える
  • Windows上の「ファイルを開く」、「ファイル名を変える」、「ファイルを移動する」、「ファイルのコピーや切り取り」、「ファイルを削除」などのファイル操作
  • 天気情報や株価情報、価格情報などのインターネット上のデータを取得する
  • インターネット上の入力フォームにデータ入力する
  • アクセスやSQL Serverといったデータベースとやり取りする

コンピューターがコンピュータにを操作をしますので、人力と比べて圧倒的に高速で(プログラムが間違っていなければ)ミスがありません。日常的にコンピュータを使っている現代人には多くの説明は不要でしょう。

そのため、コストダウンできたり、業務に費やす時間が短縮されたりします。短縮した時間で定時で帰れるようになったり、別の業務をこなしたり、別のスキルを身につけることもできます。つまり、あなたの評価が上がったり、私生活が充実したりします。

 

エクセルの関数とは何が違うのか

実際にマクロを使ってみないとエクセル関数との違いがよくわからないかもしれません。なぜなら、エクセル関数でも多くのことができるからです。しかし、マクロはエクセル関数だけではできないことが多くあります。

ざっくりいうと、「自動車」と「自動運転」くらいの違いがあります。どこかへいくための「手段」と「その手段を使って自動で目的地まで行くこと」という違いです。

たとえば請求書作るときに、関数を使えば請求書の一部を作る事は出来ますが、請求書発行業務を自動化することはできません。マクロが使えると請求書作成・印刷・メール送信などを自動化できます。

詳しくはエクセル関数とマクロの違いとは? 5つの視点で比較しましたをご覧下さい。

 

どのように始めればよいのか

エクセルマクロを導入するために特別なソフトは必x要ありません。エクセルがインストールされていれば、どのバージョンであっても、いつでもマクロを使い始めることができます。そのための手順は

  1. エクセルのオプションを表示させる
  2. リボンのユーザー設定の中の「開発」にチェックを入れる
  3. 「マクロの記録」を使って記録を開始するか、 VBE画面を表示させマクロを書く

という手順です。始めるだけなら10秒で始められます。簡単だと思いませんか? 他のプログラミング言語よりもずっと簡単です。詳しくは業務改善の決定版! 超簡単なエクセルマクロ・VBA導入方法とは?で解説しています。

 

どうやって覚えればよいのか

マクロを習得するための方法は

  1. 書籍やインターネットで独学で習得する
  2. 街のパソコンスクールに通う
  3. 知っている人が身近にいれば教えてもらう
  4. インターネット上のWebセミナーで学習する

という方法があると思います。それぞれのメリット、デメリットは以下の通りです。

方法 メリット デメリット
1. 書籍やインターネットで独学で習得する お金がかからない わからない事を聞く相手がいない(いてもYahoo!知恵袋)
パソコン教室に通う わからないことを聞ける けっこうお金がかかる
身近な知人に教えてもらう わからないことを聞ける なかなか身近にいない
Webセミナーで学習する わからないことを聞ける 対面の臨場感がない

 

独学で覚える

学習時間を多く取れる方は独学でもいずれ習得できるかもしれません。しかし、業務で満足に使いこなせるまでに数年がかりという話も聞きます。(というより、その前に多くの方が挫折します)やはり誰かに習った方が習得までの時間は短縮されますし、きちんと体系的に習えば決して難しいものではありません。

 

パソコン教室かWebセミナーか

誰に習うか、にはいろいろな考え方があると思います。MOS資格取得めざしたものであれば、街のスクールが良いかもしれません(WebセミナーでもMOS対策講座はあります)。

しかし業務に使えるレベルで使いたいというのであれば街のスクールではなく、実際に業務で結果を出している人に習うのが良いと思います。

というのも、街のスクール講師の多くは教える専門家かもしれませんが、実際に業務を効率化したと言う経験がない方が多いのではないか? と思うからです。

私は何回か習ったことがありますが、「MOS資格対策になるのは分かった。で、それどうやって業務で使えばいいの?」という内容ばかりだった記憶しています。

一方で業務で活用している人に習う、あるいはWebセミナーで学習する場合、当たり外れはありますが、あたりを引けば体系的かつ業務に活用できるよう教えてくれるでしょう。

まとめると

  • お金をかけたくない、自由に使える時間がたくさんあるという方は「書籍やインターネットで独学」
  • MOS試験対策をしたい方は街のスクール、MOS対策がテーマのWebセミナー
  • 業務で使いたい方は、業務で使えるレベルを目指すWebセミナー

となります。独学でも習得できるかもしれませんが、時間がかかりすぎます。ビジネスで結果を出すためには「お金で時間を買う」という思考が重要です。なぜなら、時間は最も貴重な資源だからです。お金は貯めたり取り戻したりできますが、その逆はありえません。

「試験のための勉強」よりは、どのように業務を効率化するか、コストダウンするか、利益を上げるかが重要ではないでしょうか。そのためには「業務で使えるレベル」になることを目的としたWebセミナーがおすすめです。

 

独学でも覚えられるのか

マクロを習いたいという方からしばしば聞く質問に「独学でも覚えられますか?」というものがあります。結論から言うと、独学でも覚えることができます。ただし、業務で使えるレベルになるまでにどの程度の時間がかかるかはその人によります。

すでに何らかのプログラミング言語を習得している方

マクロはVBAというプログラミング言語で書きますから、すでに他のプログラミング言語を書ける方はすぐに習得できます。たとえばゲルマン系言語と言われる言語に、英語とドイツ語があります。どちらか一方を知っていれば、もう一方の言語を習得するのは簡単、と言われます。

同じように、すでに何らかのプログラミング言語を習得していれば、独学でもVBA習得が容易というわけです。

プログラミング未経験の方

プログラミング未経験の方が独学でマクロ習得するのは時間がかかります。自分ひとりで試行錯誤するよりも、得意な人に聞いた方が早いのは当たり前の話です。吉田兼好さんも、「先達はあらまほしきことなり」とおっしゃっています。(何事にも指導者がいた方がいいよね、という意味です)

時間をかけたくないという方であれば、誰かに習う方が良いでしょう。

 

まとめ

マクロとは、エクセルに仕事をさせる機能です。VBAという言語で指示書を書くことで仕事をさせます。人間が行っていた仕事をコンピューターにやらせる機能ですから、業務効率化やコストダウンにつながります。ひいてはあなたの人生がより良きものになります。

関数だけではできないこともでき、とても便利な機能ですが、プログラミングスキルが必要です。独学でも習得できるかもしれませんが、誰かに習うのが最もオススメです。

カテゴリマクロ・VBAの基礎知識

エクセル勤怠管理を自動化できる 「ピボットテーブル 」 とは?

18/02/04 by イクマ ヒロユキ 4 コメント

エクセルで勤怠管理をしたいけれど、どこから手をつけてよいのか? どうやったらできるのか? がわからない方は多いと思います。また、すでにエクセルで労務・勤怠管理をしていても、もっと効率よくできないかと、お悩みの方も大勢いらっしゃると思います。

エクセルで勤怠管理するときに、最も効率よく管理できる方法は、「ピボットテーブルで勤怠管理する」です。ピボットテーブルとは、エクセルに備わった擬似的なデータベース機能」です。

データベースとは、データを効率よく扱うためのソフトや仕組み、作法のことをいいます。例えば、市販の勤怠管理ソフトであれば勤務時間や従業員情報などを、会計ソフトであれば仕訳情報など、大量のデータを扱っています。これを裏側で支えているのがデータベースです。

またAmazonや楽天でなどのショッピングサイトも、膨大な顧客情報・商品情報などをデータベースソフトで管理しています。このように、膨大なデータを扱うにはデータベースを使うのが最適な方法です。

ピボットテーブルによって得られるメリットは4つありますが、そのうちの1つに、「ピボットテーブルは勤怠情報をほぼ自動的に集計・平均・カウントできる」というものがあります。

例えば、毎月やらなければならない作業に、給与計算期間ごと・部署ごと・個人ごとに、所定労働時間・時間外労働・休日出勤などの合計、従業員ごとの出勤日数や有給休暇使用日数のカウントがあります。ピボットテーブルを使わずに時間の合計、日数のカウントをする場合、担当者は多くの時間を費やしますが、ピボットテーブルを使えばほぼ自動化できます。

このように、ピボットテーブルを使うことで自動化 = 効率化できます。この他にも多くのメリットがあり、エクセル勤怠管理にはピボットテーブルを使った方法がおすすめです。

そこでこのページでは、ピボットテーブルでエクセル勤怠管理するときの4つのメリットをさらに解説していきます。

 

ピボットテーブルのメリット

勤怠管理するときは、一週間ごとや一ヶ月ごと、給与計算期間ごとなどの期間で、従業員ごとに所定外労働時間・残業時間・休日出勤を集計します。また、分析のために期間ごと・部署ごとなどに労働時間の平均値を集計したり、正社員だけの集計、パートタイマーを除いた集計、派遣労働者だけの集計することも多いでしょう。

このような集計作業を行うときにピボットテーブルを使うと、効率よく集計でき、集計ミスもなくなります。

1. 期間ごと・部署ごと・個人ごとなどの軸(ピボット)で簡単に自動集計でき、集計ミスがなくなる

ピボットテーブルで勤怠管理せず、「期間ごと・部署ごと・個人ごとの労働時間」を集計するときは、集計表を作り「SUM関数(合計)」や「SUMIF関数(条件に合致するものだけ合計)」などを駆使して集計しなければなりません。さらに、関数を入力するのは手作業ですので、範囲指定ミスなどの関数入力ミスが起こる可能性があります。

しかし、ピボットテーブルの集計機能であれば、下のgif動画のように簡単に、部署ごと・一ヶ月ごとの集計ができます。集計は自動集計であるため、集計ミスがなくなります。労働時間計算は給与計算に直接影響しますので、集計ミスがなくなることはとても大きなメリットです。

2. 従業員や部署が増えてもその都度、表を作り直さなくてもよい

ピボットテーブルを使わずに集計表を作る場合、「集計期間ごと(毎月・毎週・四半期ごとなど)」「従業員の入退社や異動した」などのタイミングで、集計表のレイアウトや関数を編集しなければならず、非常に手間がかかります。また、手作業が多くなるほど関数の範囲設定ミスなどが発生します。

しかし、ピボットテーブルの集計機能は、集計期間が変わったり、従業員の入退社・異動があったりしても、それらを反映した集計表が自動的に作成されます。正社員だけの集計、パートタイマーを除いた集計、派遣労働者だけの労働時間も驚くほど簡単に集計できます。集計ミスもありません。

 

3. 蓄積されたデータを手軽に利用できる

ピボットテーブルを使うと、一例として下のgif動画のように手軽に部署ごと・期間ごとの集計・比較ができます。

 

一方、ピボットテーブルを使わない勤怠管理表では、下の図のように集計表が期間ごとに別シート、別ファイルに分かれて保存されていることがあります。下の集計表は私が勤務していた会社で前任者が作成した集計表です。こうした集計表はデータ分析に時間がかかります。

なぜなら、上の図のように期間ごとに別ファイル・別シートに分かれた勤怠管理表を使って、「部署ごと・月ごとに集計・比較」しようとした場合、下のgif動画のような手順になるからです。①必要な部分をコピーして、②別シートに貼り付けて、と手間がかかります。

ピボットテーブルであれば、このような集計の手間はありません。期間ごと・従業員ごと・労働形態ごと、といったデータ分析を手軽に行うことができます。

 

4. 簡単にグラフが作成できて、自動更新される

ピボットテーブルでは、下のgif動画のように簡単にグラフを作成することができます。これをピボットグラフといいます。

ピボットテーブルを使わずにグラフを更新する場合、労働時間データは日々増え続けるため、毎回グラフ範囲を設定し直さなければなりません。しかし、ピボットグラフは、日々データが増えてもグラフ範囲が自動的に拡張されますので、グラフ更新の手間がかかりません。

 

ピボットテーブルのメリットは以上の4つです。このように、ピボットテーブルで勤怠管理をすることによって、業務が効率化され、集計ミスがなくなります。

 

ピボットテーブルのデメリット

1. ピボットテーブルの使い方を覚えなければならない

ピボットテーブルを利用するためには、ピボットテーブルの使い方を勉強をしなければなりません。ですが、それほど多くの勉強量ではありません。勉強に必要な時間と、効率化によって生み出される時間を比較すれば、効率化で生まれる時間の方が遙かに大きくなります。

 

2. レイアウトが思い通りにならない

ピボットテーブルは、従業員や部署が増えてもその都度、自動的に集計表が作られます。しかしデメリットとして、集計表が思い通りのレイアウトにならないことがあります。例えば、下の図のようにピボットテーブルに新しい行を挿入することはできません。同様に、列を追加することもできません。

もしレイアウトに変更を加えたい場合は、表をコピーして別シートに貼り付けてから編集します。少し手間がかかりますが、ピボットテーブルの集計機能を使わず集計表を作るよりも速く作れます。

ただ、集計表のレイアウトに変更を加えたいケースは、管理目的ではなく、社内外の第三者に見せる目的がほとんどではないかと思います。そのため、普段の管理ではほとんどデメリットになりません。

 

3. 部署や名字が変わると、うまく集計できない

ピボットテーブルの集計機能は、名前や部署などの属性ごとに数値を集計します。そのため、部署や名前が変わってしまうと、属性ごとに集計してしまうため、うまく集計できません。例えば下の図のように、名字ごと、区分ごとに集計されてしまうと、その人の労働時間が一目でわかりません。

従業員ID1041の従業員は、2016年4月の途中で正社員から管理職になりました。そのため、区分ごとに集計されてしまい、ぱっと見で4月の労働時間(43:15+20:45=64:00)がわかりません。

5月は途中で名字が変わりました。そのため、名前ごとに集計されてしまい、ぱっと見で5月の労働時間(3:15+36:30=39:45)がわかりません。

管理するときには、名字や部署などが変わった月だけ注意すればよいのですが、どうしても一目で把握したい場合は下の図のように、従業員一人一人にユニーク(ユニークとは、重複がないことです)なIDを割り振って、IDごとに集計します。

※ピボットテーブルの「リレーションシップ」や「PowerQuery」を使うとうまく集計できるようになります。

 

4. 思い通りの平均値を求められない

ピボットテーブルには、自動集計機能という便利な機能があります。自動集計機能を使えば、部署ごと・個人ごと・期間ごとの労働時間の合計・平均などを求めるときに関数が不要で大変便利な機能です。しかし、勤怠管理においては、平均の計算には注意が必要です。

具体的には、「ピボットテーブルの自動集計機能で得られる平均は労働日1日あたりの平均」というものです。そのため、「従業員ごとに1ヶ月間の労働時間を合計し、その平均を求める」といった平均値は計算できません。もう少し具体的に解説していきます。

 

下の図では、「個人ごとの月ごと残業時間合計」と、集計行では「部署ごと月ごと残業時間合計」が自動集計されています。赤い吹き出しは、この合計を平均で集計しようと設定しているところです。

平均を求めるよう設定したところ、「月ごと一人あたり平均残業時間」ではなく、「部署ごと1日あたり・一人あたりの平均残業時間」になってしまいました。

なぜ1日あたりの平均になってしまうかというと、ピボットテーブルの集計機能で求めることができる「平均」とは、「入力されている一つ一つのデータの平均(勤怠管理では出勤日1日ごとの平均)」だからです。

ここで求めたい値は、下の図のような「月ごと一人あたり平均残業時間」です。しかし、ピボットテーブルの集計機能では、下の図のような集計は難しいです。

下の図のように「月ごと一人あたり平均残業時間」を求るためには、①ピボットテーブルで合計を求め、②ピボットテーブルをコピーして別シートに貼り付け、③AVERAGE関数を使って「月ごと一人あたり平均残業時間」求めます。少し手間ですが、この方法が手間が少なくおすすめです。

デメリットをまとめます。①集計表のレイアウトが思い通りにならない、②名字が変わると集計に工夫がいる、③平均値を思い通りに集計できないことです。しかし、これらのデメリットは解説したように普段はほとんどデメリットにならないようなものばかりです。そのため、メリットがデメリットを上回ることがわかります。

 

労働時間を集計するためのテーブル構成

上記労働時間集計のためのテーブル構成(ピボットテーブルの元になる表)は以下のとおりです。参考にしてみて下さい。

アイコン

勤怠ピボットテーブルのサンプル

1 ファイル 23.69 KB
ダウンロード

 

まとめ

ピボットテーブルを使った勤怠管理のメリット・デメリットをまとめると、下の表のようになります。

メリット デメリット
自動集計でき、集計ミスがなくなり効率化できる ピボットテーブルの勉強が必要
集計表が自動作成される レイアウトが思い通りにならない
簡単にデータ分析できる 名字が変わるとうまく集計できない
簡単にグラフを作成でき、自動更新される 思い通りの平均値を求めるのに一手間かかる

 

メリットとデメリットを比較すると、メリットがデメリットを大きく上回ることがわかると思います。勤怠管理にはピボットテーブルを使うのが最も効率よく、ミスなく集計できる方法です。使い方になれるまでは少し大変ですが、なれてしまえばこれほど便利なものはありません。ピボットテーブルを使った勤怠管理にチャレンジしてみましょう。

カテゴリマクロ・VBAの基礎知識

業務改善の決定版! 超簡単なエクセルマクロ・VBA導入方法とは?

18/02/04 by イクマ ヒロユキ コメントを書く

日々エクセルで行う業務の多くは集計、分析、データのコピペなどの繰り返し作業だと思います。「もっと生産性の高い仕事に時間を投入したい」 「またこの仕事かよ面倒だな」 「もっと効率的なやり方はないかな」 「コピペばかりつまらない」 「計算が複雑でよくミスする」 「早く帰りたい」 「もっと評価されたい」と思いながら作業している方も多いのではないでしょうか?

エクセルのマクロ機能(VBA)を使うことで業務改善できると聞いたことがある方もいらっしゃると思います。マクロで5日分の仕事が5秒で完結するようになった、数十万数百万単位でコストカットできた、というのはよくあることです。

しかし具体的に何から始めたらよいのかわからない人が大半です。このページでは基礎的なマクロ導入方法と、業務改善事例を紹介していきます。

 

マクロ・VBAなら業務改善・システム構築が可能

マクロとはあらかじめ決められた手順にしたがってコンピューターが仕事をしてくれる機能のことです。これはプログラミングとも呼ばれます。コンピューターの仕事は速くて正確です。先述したように5日分の仕事を5秒で終わらせたり、数十万数百万円以上のコストカットができたりするのはそのためです。

市販ソフトやカスタムメイドのシステム、大規模システムが導入されている企業でもまだまだエクセルの出番は多くあります。なぜならそのようなシステムであっても全てをカバーすることはできず、エクセルで隙間を埋めているからです。隙間を埋めるためのエクセルにはさまざまなムダがひそんでいます。そのムダを改善するために最適なものがマクロなのです。

こうした改善活動をあなたが主導すれば会社から評価され、待遇改善されるかもしれません。マクロによる効率化で生まれる時間で他の業務を改善すればこの流れは加速します。あるいは、残業せずに帰れるようになるかもしれません。私はエクセルマクロを習得してから人生が大きく変わりました。

マクロ、VBA、プログラミングというと難しそうなイメージがあると思いますが最初の一歩はとても簡単です。エクセルがあれば追加費用ゼロですぐに始められます。もしあなたが業務でエクセルに触れる機会があるなら、今すぐ導入することをおすすめします。

(マクロとVBA、プログラミングはそれぞれ違うものですが、ここでは同じものとして扱います。以下マクロという表記で統一します)

 

マクロ導入の手順

エクセル2016, 2013, 2010で導入する手順

① 開発タブを表示させる

各バージョンで若干見た目に違いがありますがほとんど同じ操作です。

  1. ファイルタブをクリック
  2. オプションをクリック
  3. リボンのユーザー設定をクリック
  4. 開発にチェックを入れる

 

エクセル2003, 2007で導入する手順

[st-slidebox text=”+ クリックして下さい” bgcolor=”” color=”#1a1a1a” margin_bottom=”20″]

① 開発タブを表示させる

  1. ファイルタブをクリック
  2. オプションをクリック
  3. 基本設定の中のExcelの使用に関する基本オプションにある[開発タブ]をリボンに表示するをクリック

[/st-slidebox]

全バージョン共通

② VBE画面(プログラムを作成する画面)を表示させる

開発タブの左端のVisual Basicをクリックするか、Alt + F11で起動します。(Visual Basicとは、Microsoftが開発したプログラミング言語です)

③ VBE画面が表示される

VBEとは、Visial Basic Editorの略で、マクロを開発する画面のことをいいます。(お使いの環境によっては見た目が若干違います)

エクセルマクロを導入する準備はこれで完了です。(実際にマクロを開発する方法は別のページで解説してます)

 

業務改善・システム構築の事例

マクロを使って改善できることには大小さまざまなものがあります。以下の事例は私が行った改善・システム化の一部です。

小さなもの

  • 任意の範囲の文字を太字にする、セルや文字の色を塗る、罫線を引くといった書式設定
  • 任意の範囲の列幅を自動調整する
  • 任意の範囲の文字を加工する(氏名や企業名に様や御中を付けるなど)
  • 任意の範囲の文字を抜き出す(○○県□□市を、○○県と□□市に分割して別のセルに転記する。2018/12/31などの日付から2018だけ別のセルに転記するなど)

中くらいのもの

  • 給与改定通知書を一括作成する
  • 条件に従ってファイル名を一括変更する
  • インターネット上の情報を取得する
  • CSVファイルを一括取り込みして計算、レポート作成を作成する

大きなもの

  • 労働時間の計算、集計、給与計算ソフト用データをCSV出力する
  • 組立ラインの進捗状況を見える化する

他にも多くのマクロを作ってきましたが、エクセル使って行う業務であれば、業種・職種にかかわらずマクロで自動化・業務改善・システム化できます。

 

マクロの導入 6つのメリット

エクセルユーザーがマクロを導入するメリットには以下ものがあります。

  1. 人が同じ作業をするよりも圧倒的に早い
  2. 人に比べて圧倒的に正確
  3. 人件費がかからず圧倒的に低コスト
  4. 同じ作業を何回でも簡単に繰り返すことができる
  5. 誰でも同じ仕事ができるようになる
  6. キャリアアップできる

それぞれ解説していきます。

人が同じ作業をするよりも圧倒的に早い

先述したように、マクロとはあらかじめ決めた手順に従ってコンピューターが仕事をしてくれる機能です。コンピューターですから圧倒的に早いのです。

人がエクセル(コンピューター)で作業するときは

  • エクセル → 人 → エクセル

という流れです。人がキーボードで数字を入力したり、マウスを操作したり、目視確認したりします。そのため時間がかかったり、ミスが起きたりします。

マクロによってエクセルを自動化するときは

  • エクセル → マクロ → エクセル

となります。人がやっていた数字入力、マウス操作はすべてマクロが行ってくれますので、圧倒的に早く作業が終わります。労働時間が短縮され、残業代が削減できます。あるいはコピペや集計などの単純作業に費やしていた時間をより付加価値の高い業務に割り振ることができるのです。

人に比べて圧倒的に正確

現代人にとってコンピューターによる作業は人より正確なものだというのは常識でしょう。人が何か作業するときはミスが発生します。ゼロにすることはできません。入力ミス、確認漏れなどで多くの損失がでる例はどのような企業でもあるでしょう。コンピューターであればこうしたミスを相当数減らすことができます。つまり、ミスや手戻りによるコストを削減できます。

人件費がかからず圧倒的に低コスト

コンピューターですから、いくら作業させても人件費がかかりません。エクセルがあれば追加費用ゼロでマクロを開発できます。開発費(人件費)はかかりますが、人が行っている作業が自動化されると考えれば微々たるものでしょう。

たとえば、私は従業員50名ほどの会社の労働時間計算をマクロで行うようにしたのですが、年間約50万円のコストカットができました。他にも在庫管理システム、図面版数管理システムなどを開発し、そのふたつだけでも年間数百万円のコストカットになるのではないでしょうか。しかもそれが毎年続きます。

開発期間は1~2ヶ月程度で、必要に応じたメンテナンス(機能の追加など)はありますが、コストカットの総額に比べれば私の人件費など微々たるものでしょう。私の事例は50名規模の企業でしたが、事業規模が大きくなるほどインパクトは大きくなるのではないでしょうか? このようにマクロは圧倒的に低コストですから、大きなコスト削減になります。

同じ作業を何回でも簡単に繰り返すことができる

マクロは同じことを何回でも繰り返せます。たとえば毎月発生する請求書発行、給与計算のための集計、日々の在庫管理、売上検収作業などをボタン一つで終わらせることができます。

こうした作業一つ一つに専用ソフトがありますが、マクロで開発してしまえば購入費用はかかりません。しかも自分たちで開発しますので、「この位置に印刷したい」 「このような表記にしたい」といったカスタムも自由自在です。

誰でも同じ仕事ができるようになる

業務の中には属人的なものがあります(属人的とは特定の人しかできない状態をいいます)。多くの場合その業務がボトルネックになり、業務全体の流れが悪くなったり、担当者に負荷がかかります。急に休まれたりすると大変困ったことになります。

業務が属人的になる理由の一つは、10ステップ以上もある長い手順や、条件によって変わる複雑な手順が原因でしょう。先述のように、マクロは決められた手順にしたがってコンピューターが仕事をする機能です。複雑な手順であってもあらかじめマクロにしておけばコンピューターが仕事をしてくれるというわけです。

私は総務部に所属していましたので、労働時間計算をしていました。なかでも変形労働時間制の時間計算はかなり複雑で誰もができる業務ではなかったためマクロをつくりました。そうすることでパートさんでも出勤時間、退勤時間、外出時間、戻り時間を入力するだけで労働時間計算できるようになったのです。

誰もが労働時間計算できるようになれば、私が労働時間計算する必要はありません。それに費やしていた時間をもっと付加価値が高い仕事に向けた方が会社の利益になります。こうした例はあなたの会社にも数多くあることでしょう。

キャリアアップできる

業務で使えるマクロを開発するには、その業務に精通していなければなりません。精通していないと期待した動きにならないからです。また、開発する過程で業務のムダが見つかることがよくあります。そうしたムダを改善していくことであなたの評価が上がります。

評価が上がれば次のレベルの仕事や、マクロの開発を依頼されます。それをこなしていくとその次のレベルの仕事が、というよい循環が始まります。ある人にとってはマクロ習得の一番のメリットかもしれません。

私のマクロ習得開始は30歳でした。28歳で苦痛な営業から逃げるように退職し、営業職以外で転職活動していたのですが、すべて空振り。その後1年強はニート転職浪人でした。運良く地元の工場に就職することができ、総務に配属されました。

総務ではエクセル仕事が多く、起死回生すべく必死でマクロを習得し、マクロを開発しまくって業務を改善・コストダウンしました。しだいに総務という枠を飛び出して全部署を横断してマクロを開発するようになったのです。そこでも多くの改善・コストダウンを実行しました。

その後、マクロという枠を飛び出して、総務部と製造現場の改善リーダーを兼任し、一部上場企業の経営層の前でプレゼンテーションするまでになりました。つい2, 3年前までニートだった人間が、です。このようにマクロを通じて業務に精通し改善を積み重ねることで、あなたの人生はさらに良いものになるかもしれません。

 

マクロだけでは改善できないもの

マクロで全てが解決できるかといえば、もちろんそんなことはありません。たとえば以下のようなものは別のアプローチが必要です。

  • 上役の頭が固くマクロを使うとパソコンが壊れると思っていて、マクロ化の許可が下りない。
  • 業務の流れが硬直していて、マクロ化しても非効率な部分が多い。
  • マクロに適さないエクセルのフォーマットや入力方法で、マクロ化してもそれほど効率化されない。
  • フォーマットを変えたくても「昔からこのやり方だから」という理由で変えられない。

これらはマクロの技術的な問題ではなく、人や組織の問題です。マクロ化によるメリット(業務効率化・コストダウン)・デメリット(手順や業務の流れが変わるコスト)と現状維持を比べたときに、「現状維持が勝っている(と認識されている)」状態が主な理由でしょう。

この認識を書き換える必要があります。正攻法は、あなたの手元にある仕事を、マクロによって利益をあげるという実績を多く作り、適切にプレゼンテーションするとこです。次第に周囲から一目置かれ、信頼され大きな仕事を任されるようになっていきます。その過程でマクロだけでなく、さまざまな経験を積むことができるでしょう。

もちろん「そこまでは望んでいない」 「手元の仕事が楽になるだけでいい」という方も大勢いらっしゃるでしょう。そうした方にも「大量のコピペ作業がなくなる」 「定時で帰れる」など、マクロ導入はとても大きなメリットがあります。

 

まとめ

エクセルマクロを導入することで大きな業務改善・自動化・コストカットができます。エクセルが入っているパソコンであれば追加費用ゼロで始めることができます。導入までの手順も他のプログラミング言語に比べると驚くほど簡単です。

エクセルマクロは最新のプログラミング言語ではありません。枯れた言語です。しかし悪いことばかりではありません。なぜならすでに多くの方が利用しており、関連書籍やインターネット上の情報が充実しているからです。これは初心者にとって大きなメリット。解決方法がわからずに同じところをグルグルと回るといった時間の浪費を避けられます。エクセルを使った業務を改善するならベストな選択肢です。

マクロをある程度使いこなせるようになると、「定時に帰れるようになる」 「より生産性の高い仕事に多くの時間を投入できるようになる」 「周囲からの評価が上がる」 「もっとおもしろい仕事を任されるようになる」といった経験をするでしょう。もしあなたがエクセルによる繰り返し作業が多いなら、今すぐマクロを導入することをおすすめします。

カテゴリマクロ・VBAの基礎知識

最初のサイドバー

サイト内検索

カテゴリー

  • エクセル労務管理
  • マクロ・VBAの基礎知識

Copyright © 2025 · News Pro on Genesis Framework · WordPress · ログイン